• 電子トリアージシステム 【JST CRESTプロジェクト】

  • 大事故や地震など短期間に多数の傷病者が発生する災害現場において、無線アドホックネットワークを用いて傷病者の位置情報と脈拍数や血中酸素濃度などの生体情報やその変化をリアルタイムで監視・収集し、救命活動を行う関係者にその情報を分かりやすく提供する救命救急医療支援システムを構築することにより、救命救急の効率化とトリアージの高度化を目指している。

電子トリアージシステム

What's "triage" ?

「トリアージ」は大事故・大規模災害などで多数の傷病者が発生した際の救命救急方式であり、傷病者の脈拍や自発呼吸の状況(バイタルサイン)から救命の順序(緊急度)を定められた手順で決定し、緊急度の高い傷病者から救助が行われる。

災害時の救助活動

日本では、地震や列車事故、地下街での火災などが大規模災害として想定される。大規模な災害が発生すると消防関係者や近隣の医療機関から医療スタッフが現場に急行し、傷病者の治療や搬送を行う。

多数の傷病者が同時に救助を待つ状況では、救命の緊急度の高い傷病者を優先的に治療・搬送する必要があるが、混乱する災害現場で多数の傷病者から緊急度の高い傷病者を迅速に見つけるのは必ずしも容易ではない。

Etriage :
災害時救命救急支援システム

本研究プロジェクトでは、災害で数百人以上の傷病者が短時間に発生するような状況を想定し、電子トリアージ機器の開発を行い、各傷病者に装着したトリアージ・タッグから得られる脈拍数や血中酸素濃度などのセンシング情報を無線アドホックネットワークを介して迅速に収集すると共に、傷病者の位置や病状変化をリアルタイムで監視し、救命活動を行う消防関係者や医療チームにその情報を図的に提示する救命救急医療支援システムを開発した。

報道発表

本研究プロジェクトは、大阪大学、慶應義塾大学、静岡大学、順天堂大学医学部、奈良先端科学技術大学院大学の5つの大学の6研究室で共同研究グループを構築し研究を実施しました。これらの研究の中で開発した電子トリアージシステムについては、2009年9月9日(救急の日)にNHKの朝のニュース番組「おはよう日本」の中で『最新技術でトリアージ』と題して紹介されたほか、順天堂大学医学部附属浦安病院で実施した電子トリアージシステムの実証実験の様子などが朝刊各紙(日経新聞,産経新聞,地方紙各紙)で紹介されました。また。科学技術振興機構(JST)のサイエンスニュースにも取り上げられています。

JSTサイエンスニュース2012(ビデオ映像)

本CRESTプロジェクト関連URL

本CRESTプロジェクトのホームページ
http://www.etriage.jp/

科学技術振興機構(JST)
戦略的創造推進事業(CREST)
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/

CREST 先進的統合センシング技術 研究領域
http://www.sen.jst.go.jp/

電子トリアージシステムのビデオ

下記の画像をクリックください (188MB)


【関連発表論文】
T. Higashino, A. Uchiyama and K. Yasumoto : "eTriage: A Wireless Communication Service Platform for Advanced Rescue Operations", Proc. of ACM Workshop on Internet of Things and Service Platforms (IoTSP 2011), 2011. (Invited Paper/Keynote Speech)


A. Kashiyama, A. Uchiyama, and T. Higashino : "Depth Limited Treatment Planning and Scheduling for Electronic Triage System in MCI", Proc. of Int. Conf. on Wireless Mobile Communication and Healthcare (MobiHealth 2012), 2012.

A. Uchiyama, T. Hirao, H. Yamaguchi, and T. Higashino : "Image Sensor Communication for Patient ID Recognition Using Mobile Devices", Proc. of Int. Workshop on Sensing Applications on Mobile Phones (PhoneSense 2012), 2012.

S. Minamimoto, S. Fujii, H. Yamaguchi and T. Higashino : "Map Estimation Using GPS-equipped Mobile Wireless Nodes", Pervasive and Mobile Computing, Vol.6, No.6, pp.623-641, 2010.

K. Nakata, K. Maeda, T. Umedu, A. Hiromori, H. Yamaguchi and T. Higashino : "Modeling and Evaluation of Rescue Operations using Mobile Communication Devices", Proc. of 23rd ACM/IEEE/SCS Workshop on Principles of Advanced and Distributed Simulation (PADS 2009), pp.64-71, 2009.

M. Nakamura, H. Urabe, A. Uchiyama, T. Umedu and T. Higashino : "Realistic Mobility Aware Information Gathering in Disaster Areas", Proc. of IEEE Wireless Communications and Networking Conf. 2008 (WCNC 2008), pp.3267-3272, 2008.

電子トリアージシステムの実証実験

2009年9月6日(日)に順天堂大学医学部附属浦安病院で開発中の電子トリアージシステムの実証実験を実施しました。この実証実験では、数十人の傷病者が連続して搬送されてくるような状況を想定して、開発中の電子トリアージタッグを用いて、患者の脈拍・血中酸素濃度(SpO2)・呼吸数を測定・収集すると同時に、傷病者の病状や位置をリアルタイムで表示するシステムの運用実験を行いました。この実証実験の様子は翌日の朝刊各紙(日経新聞,産経新聞,地方紙各紙)で紹介されると共に,9月9日(救急の日)に、NHKの朝のニュース番組「おはよう日本」の中で『最新技術でトリアージ』と題して紹介されました。