• モバイル・アドホック・ネットワーク 【総務省SCOPEプロジェクト】

  • 携帯電話やPDA, Mobile PCなどの移動端末を持つ多数の人や車の現実的な行動モデル(モビリティモデル)に基づいて大規模なネットワークシミュレーションを行うための理論的な枠組みを考案すると共に、その方式に基づくアドホック・ネットワーク・シミュレータMobiREALを開発している。(http://www.mobireal.net/)

未来のユビキタス社会

What's MobiREAL ?

MobiREAL は高機能の無線タグや携帯デバイスの飛躍的な発展によってもたらされると考えられるユビキタスネットワーク社会における次世代ネットワークシミュレータである。



MobiREALでは、現実の人や車の動きを再現したり、受信したデータに依存して行動を変化させたりする機能(MobiREAL Behavior Simulator)、移動ノードのネットワークアプリケーション間でデータの送受信を行う機能(MobiREAL Network Simulator)、モバイルノード間でのデータの伝達状況を動的に表示する機能(MobiREAL Animator)を提供する。

これにより、スマートフォンや携帯デバイスなどを用いたモバイルネットワークアプリケーションやルーティングプロトコルなどに対して、都市環境など現実の行動モデルに近い状況を再現させ、ネットワークの性能評価を行うことができる。

現実的な行動モデルの再現

MobiREALでは、周辺環境から得た情報に基づき行き先を変更したり渋滞を回避するといった現実に近いノードのモビリティを C++で比較的簡単に記述することができ、そのモビリティ上でGTNetSによる精巧なネットワークシミュレーションを行う。シミュレーション結果は視覚化ツール MobiREAL Animatorで再現し、ノードの動きのほか、リンクの接続状況や色によるパケットの種類分け(制御パケット、データパケット、エラーパケットなどの区別)などの可視化機能を提供している。

オープンソース

MobiREALはオープンソースとして70カ国500以上の研究機関で利用していただきましたが、現在はコードの公開は終了しています。

http://www.mobireal.net

【謝辞】本研究の一部は、平成16~18年度総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)の支援を受けて実施しています。
【受賞】本プロジェクトに関連して、平成30年度科学技術分野の⽂部科学⼤⾂表彰(科学技術賞)を受賞させていただきました。
  「モバイルネットワークの性能解析技術と
   その応用に関する研究」

【関連発表論文】
K. Maeda, A. Uchiyama, T. Umedu, H. Yamaguchi, K. Yasumoto and T. Higashino : "Urban Pedestrian Mobility for Mobile Wireless Network Simulation", Ad Hoc Networks, Elsevier, Vol.7, No.1, pp.153-170, 2009.

K. Maeda, K. Sato, K. Konishi, A. Yamasaki, A. Uchiyama, H. Yamaguchi, K. Yasumoto and T. Higashino : "Getting Urban Pedestrian Flow from Simple Observation : Realistic Mobility Generation in Wireless Network Simulation", Proc. of 8th ACM/IEEE Int. Symp. on Modeling, Analysis and Simulation of Wireless and Mobile Systems (MSWiM2005), pp. 151-158, 2005.

A. Hiromori, T. Umedu, H. Yamaguchi and T. Higashino : "Protocol Testing and Performance Evaluation for MANETs with Non-uniform Node Density Distribution", Proc. of 24th IFIP Int. Conf. on Testing Software and Systems (ICTSS'12), Lecture Notes in Computer Science (LNCS), Vol.7641, pp.231-246, 2012.

E. Ueno, A. Hiromori, H. Yamaguchi and T. Higashino : "A Simple Mobility Model Realizing Designated Node Distributions and Natural Node Movement", Proc. of 2011 IEEE 8th Int. Conf. on Mobile Ad-Hoc and Sensor Systems (MASS 2011), pp.302-311, 2011.

T. Kanaya, A. Hiromori, H. Yamaguchi and T. Higashino : "HumanS: A Human Mobility Sensing Simulator", Proc. of 5th IFIP Int. Conf. on New Technologies, Mobility and Security, 2012.

都市の歩行流のモデル化 UPF (Urban Pedestrian Flows) モデル

従来のネットワークシミュレーションでは、現実の歩行者の移動パターンとはかなり異なるランダムモビリティ(e.g. RWP)などが用いられる場合が多かった。一方、現実の歩行者の移動パターンはランダム移動と異なり、歩行地点や時刻によりかなりの密度分布のばらつきが生じ、移動無線端末の性能解析などに大きな影響が生じることが明らかになってきた。下記論文では、交差点などのいくつの観測地点での歩行者数の観測値などから、対象街区の歩行流をできるだけ正確に再現するための方法と、そのための歩行者の移動モデル(Urban Pedestrian Flows (UPF) モデル)を提案している。

K. Maeda, A. Uchiyama, T. Umedu, H. Yamaguchi, K. Yasumoto and T. Higashino : "Urban Pedestrian Mobility for Mobile Wireless Network Simulation", Ad Hoc Networks, Elsevier, Vol.7, No.1, pp. 153-170 (2009).