山口弘純(やまぐち ひろずみ)

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最近の研究紹介

※最終更新:2016年5月
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人の位置や行動の把握技術

  • ひとなび ~ 屋内におけるひと,くうき,きもちを理解する ~
  • 混雑・群衆推定 ~屋内外の群衆の位置・行動・興味を理解する~
  • 駅や電車の位置行動推定 ~ 快適な移動支援に向けて ~
  • 近接通信技術に基づくモバイル端末位置推定

スマートビルディング・スマートホーム

  • ヒューマンセントリックBEMSによる最適快適度制御
  • スマートホームにおける行動理解と推薦
  • ホームセンサーの位置推定
  • 家庭における高齢者向け活動量センシング

高度交通システム

  • 周辺車両理解によるドライバー支援
  • ITS路側機の配置最適化

無線LANと通信高度化

  • 無線LANチャネル最適化技術
  • クラウドソーシングによる「まちビッグデータ」用無線LANデータベース

IoT・情報流プラットフォーム

  • 情報流プロジェクト
  • IoT・センシング

人の位置や行動の把握技術

ひとなび ~ 屋内におけるひと,くうき,きもちを理解する ~

ひとなび レーザーレンジスキャナ ひとなび

研究グループでは,レーザ測域センサーを用いて,屋内の歩行者の位置と軌跡を追跡するトラッキングシステム「ひとなび」を開発しています.歩行者側では装置を装着したり,端末を保持する必要はなく,誤差も高々数十センチ程度です.これを活用し,様々な融合的新サービスを展開しようとしています.

現在,大阪駅前の大規模商業ビル「グランフロント大阪」内のナレッジキャピタル展示施設「The Lab」において2013年4月からの約3年間にわたり展示を継続しています.また,この高精度トラッキングを活用し,スマートフォンと組み合わせることで個人に位置情報をフィードバックしたり,つぶやきを正確な位置とともに共有することも可能です.

応用先として,デジタルサイネージ,混雑ナビ,共有空間でのSNS,空調センシング,快適度制御,広告配信など,屋内の人の位置に関わるすべてのアプリケーションが考えられます.

  • 高精度な屋内位置推定システム(※ご興味があればお問合せ下さい)
  • 朝日新聞掲載(2016.01.05 全国版社会面(35面))
  • 世界最高峰の情報×アートの展示会ARS ERECTONICA 2015 出展(2015.09 オーストリア リンツ)
  • グランフロント大阪北館2F/3F The Lab.における3年以上のトラッキング実証展示
  • 海外大企業オフィスへ設置中
  • デモ関連受賞(情報処理学会DPSワークショップ優秀デモンストレーション賞(2016),情報処理学会DICOMO2013シンポジウム野口賞(2013),International Students Creative Award 2013 (ISCA 2013) 佳作賞)

成果の一部

  • 樋口 雄大,山口 弘純,東野 輝夫,測域センサと近距離無線通信を併用した高精度屋内測位,情報処理学会論文誌, 57(5), pp. 1489-1498, 2016
  • 高藤巧,藤田和久,樋口雄大,廣森聡仁,山口弘純,東野輝夫,下條 真司, トラッキングスキャナとモーションセンサを用いた高精度屋内位置推定手法の提案, 情報処理学会論文誌, 57(1), pp. 353-365, 2016
  • Takamasa Higuchi, Hiroki Iwahashi, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, TweetGlue: Leveraging a Crowd Tracking Infrastructure for Mobile Social Augmented Reality, Proc. of IWCMC2015, pp. 1030-1035, August 2015
  • Kazuhisa Fujita, Takamasa Higuchi, Akihito Hiromori, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino and Shinji Shimojo, Human Crowd Detection for Physical Sensing Assisted Geo-Social Multimedia Mining, Proc. of SmartCity2015, pp. 642-647, April 2015
  • 岩橋 宏樹、樋口 雄大、山口 弘純、東野 輝夫, 歩行者群の移動軌跡情報を用いたモバイルカメラ画像内の人物位置推定手法, 情報処理学会論文誌, 56(2), pp. 470-482, 2015
  • Takumi Takafuji, Kazuhisa Fujita, Takamasa Higuchi, Akihito Hiromori, Hirozumi Yamaguchi, and Teruo Higashino, Indoor Localization utilizing Tracking Scanners and Motion Sensors, Proc. of IEEE UIC2014, pp. 1-8, December 2014
  • Yusuke Wada, Takamasa Higuchi, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Accurate Positioning of Mobile Phones in a Crowd using Laser Range Scanners, Proc. of the IEEE Wimob2013, pp. 441-446, October 2013

混雑・群衆推定 ~屋内外の群衆の位置・行動・興味を理解する~

人々がどこにいて何をしているかはサイバーフィジカルシステムなど,実世界との関係に基づき人々の利便性を高める様々な社会システムにおける最も基本的な情報でありながら最も把握しにくい情報の一つです.

現在マイクロスケールの群衆把握技術として,個人のスマートフォンにおける雑踏音検知や加速度パターンの乱れによる雑踏センシング,スマートフォンや車載カメラを活用した街路等の人密度推定などを行っています.またそれらのマイクロセンシング情報を統合し,GPSや携帯電話網と連携してたマクロスケールの行動把握にチャレンジしています.

  • スマートフォンの加速度と音による周辺混雑推定
  • スマートフォンのカメラを用いた群衆密度推定
  • ドライブレコーダーによる群衆把握
  • 人流推定技術
  • センシングデータの統合化技術
  • クラウドソーシング・モバイルセンシング・協力型センシング
  • 人検知センサー配置最適化

成果の一部

  • Takamasa Higuchi,Hirozumi Yamaguchi,Teruo Higashino, Mobile Devices as an Infrastructure: A Survey of Opportunistic Sensing Technology, Journal of Information Processing, 23(2), pp. 94-104, 2015 (Invited Paper)
  • 西村 友洋,樋口 雄大,山口 弘純,東野 輝夫, スマートフォンを活用した屋内環境における混雑センシング, 情報処理学会論文誌, 55(12), pp. 2511-2523, 2014
  • Tomohiro Nishimura, Takamasa Higuchi, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Detecting Smoothness of Pedestrian Flows by Participatory Sensing with Mobile Phones, Proc. of ACM ISWC2014, pp. 15-18, September 2014
  • Takamasa Higuchi, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino and Mineo Takai, A Neighbor Collaboration Mechanism for Mobile Crowd Sensing in Opportunistic Networks, Proc. IEEE ICC2014, pp. 42-47, June 2014
  • Akira Uchiyama, Etsuko Katsuda, Yuki Uejima, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, GPS Line-Of-Sight Fingerprinting for Enhancing Location Accuracy in Urban Areas, Proc. of IPIN2013, pp. 827-830, October 2013
  • Akihito Hiromori, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Sensor Placement Optimization Method for People Tracking, Proc. of NGMAST2013, pp. 62-67, September 2013

駅や電車の位置行動推定 ~ 快適な移動支援に向けて ~

電車混雑推定 電車混雑推定 電車混雑推定

私たちの都市生活において快適な移動を実現するためには,電車や地下鉄のような公共交通機関での移動をよりスムーズで快適にすることが重要です. 東京などの大都市では,電車や地下鉄が都市交通システムとして十分に発達する一方で,鉄道駅自体が巨大化し,複雑な構造になっています. 一つのエリアに複数の階段やエレベータなどの出口が混在し,それぞれが異なる方面や別路線の乗換口へと繋がるため,慣れない旅客は電車降車後にどの方向に向かう べきかも把握しにくいという現状があります.さらに身体的障害を抱える旅客や,大きな荷物やベビーカーを運ぶため移動に負担が伴う旅客は, 空いている路線や車両など,より負担が少なく安全な移動を望んでいます.

このような旅客のニーズに応じた快適な鉄道利用をサポートするためには,プラットフォーム/電車内に存在する旅客の位置特定や電車内の混雑状況把握が有用であると考えられます.研究グループではそれらをスマートフォンを中心に実現する技術やサービスについて研究開発を進めています.

  • 協力型センシングとBluetoothを活用した電車内の混雑・位置同時推定
  • 協力型スマートフォンセンシングによる駅構内のランドマーク推定と位置推定
  • スマートフォンセンサーを利用した車両の移動状態推定

成果の一部

  • Moustafa Elhamshary, Moustafa Youssef, Akira Uchiyama, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, TransitLabel: A Crowd-Sensing System for Automatic Labeling of Transit Stations Semantics, Proc. of ACM MobiSys2016, June 2016
  • 樋口 雄大,山口 弘純,東野 輝夫, スマートフォンの加速度・磁気センサを併用した鉄道車両の移動状態推定, 情報処理学会論文誌, 57(4), pp. 1274-1283, 2016
  • Moustafa Elhamshary, Moustafa Youssef, Akira Uchiyama, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino, Activity Recognition of Railway Passengers by Fusion of Low-Power Sensors in Mobile Phones, Proc. of ACM SIGSPATIAL2015, 2015
  • Takamasa Higuchi, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Tracking Motion Context of Railway Passengers by Fusion of Low-Power Sensors in Mobile Devices, Proc. of ACM ISWC2015, pp. 163-170, September 2015
  • Yuki Maekawa, Akira Uchiyama, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Car-level Congestion and Position Estimation for Railway Trips Using Mobile Phones, Proc. of ACM Ubicomp2014, pp. 937-948, September 2014
  • 前川 勇樹,内山 彰,山口 弘純,東野 輝夫, 鉄道におけるBluetooth RSSI特性を用いた乗車車両および混雑の推定手法, 情報処理学会論文誌, 55(6), pp. 1614-1624, 2014

近接通信技術に基づくモバイル端末位置推定

位置推定 位置推定

従来の屋内位置情報サービスは,歩行者ナビゲーションや,移動履歴に基づくユーザの嗜好分析など,個々のユーザを対象としたものが中心です.一方,近年では,自身の近辺にいる友人など「ソーシャルな」関係を持つ他ユーザとのつながりをモバイル端末を通じて支援するサービスも注目され始めています.そういったいわゆる端末間の位置関係を導き出す,モバイルソーシャルナビゲーションをはじめとする位置推定技術を開発しています.

  • TDoAと移動特性を用いたモバイル端末間位置推定
  • アドホック間欠通信上でのモバイル端末位置推定
  • 災害時用インフラレス相互位置推定
  • 遭遇情報を活用した相対位置補正
  • アドホック通信に基づく地図自動推定

成果の一部

  • Takamasa Higuchi,Hirozumi Yamaguchi,Teruo Higashino, Trajectory identification based on spatio-temporal proximity patterns between mobile phones, Wireless Networks (Springer), 22(2), pp. 563?577, 2016
  • Takamasa Higuchi, Sae Fujii, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Context-Supported Local Crowd Mapping via Collaborative Sensing with Mobile Phones, Pervasive and Mobile Computing (Elsevier), 13, pp. 26?51, 2014
  • Takamasa Higuchi, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Mobile Node Localization Focusing on Stop-and-Go Behavior of Indoor Pedestrians, IEEE Transactions on Mobile Computing, 13(7), pp. 1564-1578, 2014
  • Youngtae Noh, Hirozumi Yamaguchi, Uichin Lee, Prerna Vij, Joshua Joy and Mario Gerla, CLIPS: Infrastructure-free Collaborative Indoor Positioning Scheme for Time-critical Team Operations, Proc. of IEEE PerCom2013, pp. 171-177, March 2013
  • Noboru Kiyama, Akira Uchiyama, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Quantifying Relationship between Relative Position Error of Localization Algorithms and Object Identification, Wireless Networks (Springer), 19(6), pp. 1037-1049, 2013
  • 樋口 雄大,山口 弘純,東野 輝夫, デッドレコニングとBluetoothの受信電波強度を用いたスマートフォンユーザ間の位置関係認識, 情報処理学会論文誌, 54(8), pp. 2048-2060, 2013
  • Akira Uchiyama, Sae Fujii, Kumiko Maeda, Takaaki Umedu, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, UPL: Opportunistic Localization in Urban Districts, IEEE Transactions on Mobile Computing, 12(5), pp. 1009-1021, 2013
  • Takamasa Higuchi, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Clearing a Crowd: Context-supported Neighbor Positioning for People-centric Navigation, Proc. of Pervasive2012, pp. 325-342, June 2012
  • Hirozumi Yamaguchi, Takamasa Higuchi and Teruo Higashino, Collaborative Indoor Positioning of Mobile Nodes, Proc. of ICMU2012, pp. 156-163, May 2012
  • Takamasa Higuchi, Sae Fujii, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, An Efficient Localization Algorithm Focusing on Stop-and-Go Behavior of Mobile Nodes, Proc. of PerCom2011, pp. 205-212, March 2011
  • Shinichi Minamimoto, Sae Fujii, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Local Map Generation using Position and Communication History of Mobile Nodes, Proc. of PerCom2010, pp. 2-10, March 2010

スマートビルディング・スマートホーム

ヒューマンセントリックBEMSによる最適快適度制御

次世代BEMS 次世代BEMS

近年では大型ビルを中心にビルエネルギー管理システム(Building Energy Management System, BEMS)の導入事例が増えてきており,建物全体でのエネルギー消費の削減を目的として管理するシステムの運用が行われています.最新のBEMS では,消費電力の約7割を占める照明・空調機器を利用者の在不在に応じて適切に制御してサービスを提供することで,不要な電力消費を削減するタスクアンビエントな照明空調システムの導入も考慮されています.

しかし,現状では最新のBEMS においても利用者の温熱感覚を低コストで正しく捉えることは実現できていません. 広い空間を限られたポイントの温度情報だけで捉えてしまうと,暑すぎる・寒すぎるといった過剰冷暖房の問題は解決できません.人々がどこでどのような温熱状況なのかを正しく把握し,それに対し最適な空調機器制御を行うことが望まれます.

研究グループでは前述の「ひとなび」の設置場所に温度センサーを設置し,人と室温の関係を出しています.ここで得られた知見をもとに,現在,1000平米を超える準オフィス環境において数十台温度センサーと人検知センサーを設置し,空調や人が温熱環境に与える影響を正しく理解しようとしています.それに基づき,快適な空調制御の目安となるデータを創出することを目的としています.

  • 人の存在検知と室温の関係解析
  • CFDシミュレーションによる快適性予測技術
  • 新しいパラメータを考慮した温熱快適性指標PMVの再定義
  • 1000平米を超える準オフィス環境における実証実験(継続中)

成果の一部

  • 三浦 太樹,濱谷 尚志,山口 弘純,東野 輝夫,下田 吉之,流体シミュレーションデータセットに基づく屋内環境の温熱快適性推定に関する検討,電子情報通信学会技術研究報告
  • 山口弘純,廣森聡仁,東野輝夫,下條真司,商業ビル内でのセンシングデータ解析の試み,電子情報通信学会技術研究報告
  • 地口将雄・西村友洋・山口弘純・東野輝夫・山口容平 商業施設における快適度推定および可視化システムの開発,情報処理学会研究報告
  • Akihito Hiromori, Takumi Kanaya, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, Performance Evaluation of Mobility-Based Energy-Saving to Control Air-conditioning and Lighting Equipments, Proc. of IFIP SustainIT2012, pp. 1-6, October 2012

スマートホームにおける行動理解と推薦

スマートホーム スマートホーム

人々がより賢く,快適に暮らすことができるスマートホームの普及も視野に入ってきました.特に,省エネルギーについては喫緊の課題であるため,スマートホームの中核的な機能であるHEMS(Home Energy Management System)によるスマートグリッドと連動したデマンドレスポンスなど,様々な取り組みがなされています.一方,省エネルギーのみならず豊かで充実した生活を送るためには,肥満防止や家族のコミュニケーションなど,家庭における生活を改善 する生活支援においてもIT 技術の活用が期待され,スマートホームはHEMS と生活支援の両方の機能を提供することが求められています.

研究グループでは,居住者の生活全体の“質” を向上させるための行動改善をアドバイスするシステムSLSA(Smart Life Support Adviser)を提案しています.スマートホームにおける居住者とその行動,ならびに家電や家庭用バッテリーなどの稼働状況を表すモデルを定義するとともに,これらのモデルに基づき,「エネルギーコスト」や快適度,健康度や時間の質といった生活改善指標を定量化しています.クラウドソーシングによる大規模なアンケート調査から“生活を充実させるための知恵やノウハウ” を抽出し,それらに基づき,生活改善の指標と改善ルールを設計することで,現実的かつ居住者の負担にならない生活改善アドバイスを提供するシステムを開発しています.

  • 1000人規模のクラウドソーシング調査による生活の質の定量化と改善ルール設計
  • トラッキング・センシング技術による行動推定技術
  • 生活改善アドバイス自動生成・実家庭での2か月間の実証実験

成果の一部

  • 中村 笙子,志垣 沙衣子,廣森 聡仁,山口 弘純,東野 輝夫, 大衆の生活ノウハウの定量化とモデル化によるスマートライフ支援システム, 情報処理学会論文誌, 56(8), pp. 1621-1633, 2015
  • Shoko Nakamura, Saeko Shigaki, Akihito Hiromori, Hirozumi Yamaguchi and Teruo Higashino, A model-based approach to support smart and social home living, Proc. of ACM UbiComp2015, pp. 1101-1105, September 2015

ホームセンサーの位置推定

近日更新予定

家庭における高齢者向け活動量センシング

近日更新予定

高度交通システム

周辺車両理解によるドライバー支援

ITS ITS

自動運転の普及は目前に迫ってきています.2020年代の準自動運転システム(加速・操舵・制御のすべてを基本的にシステムが担う)の試用開始を目標とした技術開発が進められており,測域センサやミリ波レーダ,車載カメラを活用し,周囲の状況をリアルタイムに判断することにより,ドライバーの安全運転を支援する先進安全技術が実用化されています.

その一方で,車載デバイスの検出範囲を超えた周辺認識には課題を残しています.車両単体による自律的な周辺認識にはその認識範囲に限界があることは明らかです.前方車両群の正確な存在と位置関係が把握できれば,自車両のみならず,後方の自動運転車両やドライバーの運転意思決定(レーン選択や速度制御)に大きく寄与できると考えられます.

研究グループでは,測域センサを搭載するいくつかの車両が検出した車両群の相対位置情報を車車間通信可能車両と共有し,それらを適切に合成することで,自車両の車載デバイスの検出能力のみでは把握できない前方広範囲の車両群の位置を認識するための技術を開発しています.他車両の周辺車両の情報を用いることで,自車両の見通し範囲外の車両(トラックの影に隠れてデバイスの検出範囲内にあるが見通せない前方車両など)の存在も正しく認識した上で車両群を形成できるようになります.実車両走行実験も行い,その有用性を評価しています

論文等

  • Atsushi Fujita, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino and Mineo Takai, A Study on Identification of Laser-tracked Vehicles Using V2V-based Velocity Information, Proc. of SmartVehicles2016, June 2016
  • 藤田 敦,梅津 高朗,山口 弘純,東野 輝夫,金田 茂,高井 峰生, 車車間通信を用いた車両間協調による周辺車両群の存在把握, 情報処理学会論文誌, Vol. 56, No. 11, pp. 2092 - 2105, 2015
  • Sae Fujii, Atsushi Fujita, Takaaki Umedu, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino, Shigeru Kaneda and Mineo Takai Cooperative Vehicle Positioning via V2V Communications and Onboard Sensors Proceedings of the 4th IEEE International Symposium on Wireless Vehicular Communications (WiVeC2011), pp. 1-5, September 2011

ITS路側機の配置最適化

路側器配置 路側器配置

次世代交通システムでは,交差点に路車間通信用基地局(路側機)を設置し,安全運転を支援する動きが700MHz帯を中心に本格化していまs.将来的には路側機が都市部の各交差点に設置されると期待されています.一方で,これらのシステムでは面的に多数設置された基地局間の無線通信干渉制御が課題となりますが,現場での基地局毎の干渉関係測定が実質的に困難であることは考慮されていません.また,既存基地局の周波数あるいは時間スロット割当を損なわず,頻繁に増設される新規基地局を受け容れ可能とすることも重要です.そういった従来と異なる制約のもと,周波数資源や時分割割当を効率化する技術が求められています.

そこで,無線基地局が密に設置され,将来にわたり増設される環境において,基地局間の干渉関係測定を要せずに高い資源利用効率を達成する資源割当技術を提案しています.領域をセル分割し,基地局の存在に関わらず,規則化されたセル間干渉関係を推定します.これにより干渉関係測定を不要とするとともに,規則性を利用した最適な資源割当アルゴリズムを開発しています.網羅的シミュレーションにより,干渉測定を行うことなく,増設基地局を受け容れながら高い最適性で資源割当を実現できることを示しています.大阪市中央区の区画を対象に,路車間通信プロトコル ARIB STD-T109標準準拠の路側機を配置設計する事例に適用しています.

成果の一部

  • Hirozumi Yamaguchi, Akihito Hiromori, Teruo Higashino, Shigeki Umehara, Hirofumi Urayama, Masaya Yamada, Taka Maeno, Shigeru Kaneda and Mineo Takai, Scalable and Robust Channel Allocation for Densely-Deployed Urban Wireless Stations, Performance Evaluation Journal (Elsevier), Vol. 87, No. , pp. 74-91, 2015
  • 山口 弘純,廣森 聡仁,東野 輝夫,梅原 茂樹,浦山 博史,山田 雅也,前野 誉,金田 茂,高井 峰生, 密な基地局群の無線相互干渉調停のための空間分割スケジューリング技術, 情報処理学会論文誌 (IPSJ), Vol. 55, No. 2, pp. 826-837, 2014
  • Hirozumi Yamaguchi, Akihito Hiromori, Teruo Higashino, Shigeki Umehara, Hirofumi Urayama, Masaya Yamada, Taka Maeno, Shigeru Kaneda and Mineo Takai A Novel Scheduling Algorithm for Densely-Deployed Wireless Stations in Urban Areas Proceedings of the 16th ACM International Conference on Modeling, Analysis and Simulation of Wireless and Mobile Systems (MSWiM2013), pp. 317-326?, November 2013 (acceptance ratio=26%) (best paper nominated)

無線LANと通信高度化

無線LANチャネル最適化技術

クラウドソーシングによる「まちビッグデータ」による無線LANデータベース

WiFi最適化 WiFi最適化

東京オリンピック・パラリンピック開催を2020 年に控え,外国人観光客の増加が続いています. 外国人観光客はWi-Fiを利用する傾向にあり,総務省はその通信環境改善を促進するため,訪日外国人が我が国の世界最高水準の ICT を「サクサク」利用できるICT 環境を実現することを目指したアクションプラン「SAQ2 JAPAN Project」を2014 年6 月に公表しています.また,Wi-Fiは災害時の携帯通信網の代替インフラや低コストスマートシティ基盤としても重要視されています.高度交通システム(ITS)においても路路間通信や路車間通信へのWi-Fi の活用が検討されているなど,次世代の通信基盤として極めて重要です.

一方で,人口集中都市の中心部ではオフィスの集中,屋外用Wi-Fi 基地局の無秩序かつ過密な設置,モバイルルーターの急増,ITS 車載器へのWi-Fi 搭載,マルチバンドWi-Fi チップの増加などにより,Wi-Fi 基地局数とデバイス数は増加の一途を辿っており,過密環境における混沌とした周波数利用状況に拍車をかけています.

このような問題に対し,我々はIEEE802.11a/g/n など既存アーキテクチャの範疇で,APの周波数再利用を自律的に効率化させることを目標に,干渉環境センシングのコンセプトに基づくチャネル選択により過密干渉を制御する技術を開発しています.また,最近では「まちビッグデータ」による無線LANデータベース構築に着手しました.いずれもWiFi APの周波数利用効率を向上させる試みです

成果の一部

  • 梶田 宗吾,山口 弘純,東野 輝夫,梅原 茂樹,齊藤 文哉,浦山 博史,山田 雅也,前野 誉,金田 茂,高井 峰生 過密干渉環境における無線LANチャネルの性能予測モデル, 情報処理学会論文誌 (IPSJ), Vol. 57, No. 2, pp. 745-755, 2016
  • Shugo Kajita, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino, Hirofumi Urayama, Masaya Yamada and Mineo Takai, Throughput and Delay Estimator for 2.4GHz WiFi APs: A Machine Learning-based Approach, Proc. of 8th IFIP WMNC2015, pp. 223-226, October 2015
  • Shugo Kajita, Hirozumi Yamaguchi, Teruo Higashino, Shigeki Umehara, Fumiya Saitou, Hirofumi Urayama, Masaya Yamada, Taka Maeno, Shigeru Kaneda, Mineo Takai, A Channel Selection Strategy for WLAN in Urban Areas by Regression Analysis, Proc. of IEEE WiMob2014, pp. 646-651, October 2014

IoT・情報流プラットフォーム

情報流プロジェクト

情報流 情報流

私たちにとって従来の「情報」は,インターネット上などに「静的」に整理・蓄積され,人々の用途に応じて加工され,必要とする人々に伝送・活用されるものでした. 近年のビッグデータ活用もこの延長線上のトレンドとみなすことができます.

一方で,人・車・機械などから時々刻々と連続的に生成される位置トレースデータや映像ストリーム,ソーシャルコンテンツといった実時間情報を,「リアルタイム」で「複合的に」処理することで社会的に大きな価値を生み出せます. 例えば全国で数百万台規模のプローブカー情報,公共交通機関情報,物流情報,携帯電話ユーザの匿名行動情報などを即座に組み合わせることができれば,都市における人やクルマ,モノの動きをリアルタイムに把握でき,都市効率化や防災に活用できます.

情報通信の有志研究者による本プロジェクトは「情報流」を提案した研究者らが発起人となり,同じ目的を有する研究者らと一体となって,情報流の実現に向けた課題発見やその解決を図ります.研究者コミュニティ内外で意見交換を実施し,情報流に関する技術開発を促進することでその具体化や普及を推進します.

本プロジェクトの全容については情報流プロジェクトWEBページをご参照ください.

成果の一部

  • Keiichi Yasumoto, Hirozumi Yamaguchi and Hiroshi Shigeno, Survey of Real-time Processing Technologies of IoT Data Streams, Journal of Information Processing (IPSJ), Vol. 24, No. 2, pp. 195-202, 2016 (Invited Paper)
  • 安本 慶一,山口 弘純, 多数のデータストリームを実時間で融合・編纂し利活用するための次世代「情報流」技術 : 情報流キュレーション基盤実現に向けた課題抽出と取り組み, 情報処理(特集「モバイル時代のサービスを支える技術」), 55(11), pp. 1281-1287, 2014

IoTセンサー向けセンシングデータ集約送信プラットフォーム

IoT時代はビル監視,見守り,行動把握,エネルギー制御など,様々な用途のため,ビルや家庭から大量のセンサーデータがクラウドに送信されます.しかし,例えば有線インターネット接続を必要としない高齢者世帯などでは,携帯電話をホームゲートウェイとしてそういったデータを送信する場合もあり得ます.一方で山間部では携帯回線帯域が安定して得られない場合も多く,データを効率よく送信するためIoTゲートウェイ技術が必須となっています.

これに対し,研究グループでは,複数のセンサーデータを効率よく集約・圧縮送信するとともに,アプリケーションリクエストに応じた優先度で送信する技術を開発しています.それらを豊田市の山間地域で実証するトライアルに参加し,効果を確認しています.

成果の一部

以前の研究

行動シミュレーション

  • 行動センシングシミュレータ HumanS
  • モバイルワイヤレスネットワークシミュレータ MobiREAL
  • 矩形領域内のモビリティ再現技術
  • パラメータ依存関係発見によるシミュレーションパターン効率化

センサーネットワーク・マルチホップワイヤレスネットワーク

  • センサーネットワーク開発支援環境 D-sense
  • スマートフォンなどからなる分散協調センシングシステム向けのミドルウェアと開発言語
  • センサーネットワーク向け自律分散データ収集プロトコル
  • ITS用の路側機間TDMAスケジューリング
  • 車車間通信プロトコルGVGrid
  • MANETマルチキャスト

オーバレイネットワーク

  • サービスオーバレイ設計技術
  • アプリケーション層マルチキャスト開発支援環境 ALMware
  • エンドユーザマルチキャストにおける帯域制御とミドルウェア
  • ロバストな経路木を維持するアプリケーション層マルチキャスト

分散協調システム

  • ペトリネットによる仕様記述とプログラム自動導出技術
  • PlanetLab上でのサービス分散実行環境
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